Why Vertical Wind Offshore ?

Research and Development, Since 2015

  本研究ではFGV付き垂直軸型風車を搭載した浮体式風車に着目している。大阪府立大学航空宇宙工学分野の金子らは,Guide Vane (集風装置)に可撓性を持たせたFlexible Guide Vane(以下FGV)を垂直軸型の1種であるクロスフロー型風車に設置することを提案した。これにより,垂直軸型風車の問題点であるエネルギー効率を向上させるだけでなく,もう1つの垂直軸型風車の問題点である過回転による防止を可能とした。
 さらに我々は2015年からの研究で2基の垂直軸型風車を浮体に搭載することにより,すりこぎ運動が抑制されるかどうかを水槽試験より明らかにした。模型サイズは1/10スケールである。

Where will we use? 

 
養殖場では,底質・水質・漁場の地形的な特徴が主な原因となっている。たとえば閉鎖的な内湾では一般的に水の流れが滞りやすいため,水深が深い海域では表層の海水と底層の海水の密度差が大きくなり,上下の混合が起こりにくくなる。そして底層部分に有機物が体積し,それを分解するために酸素が消費され,貧酸素水塊が形成される。この貧酸素水塊を解消するためには水を強制的に回流させる必要がある。そのため,ポンプなどを用い,水塊を汲み上げる必要があるので,陸地から離れた場所でも作業が行えるような浮体式の施設が有用である。さらに,水塊を汲み上げる作業を行う必要があるため,低風速領域から回転することができ,遠洋に設置する場合もメンテナンス頻度が比較的少ない,垂直軸型の風車が有望視される。以上の観点から,浮体式の垂直軸型の風車が水塊を汲み上げるための設備として適していると考える。
 仮に50m程度のプールの容量程度(50m×16m×1m)の海水を24時間で10m揚水を考えてみる。これに必要な仕事率は95W程である。ポンプ効率や風車軸損失を考えると風車に求められる大きさは1基250Wと算出できる。
 図が実機の大体の大きさだ。

What is the goal in 2017? 

  2017年度からは実機に向けて係留系のところの研究と、発電機に関わる研究を実施する。発電機に関わる研究は大阪府立大学航空宇宙工学分野の金子先生と実施する予定である。